法的三段論法と事実認定の図

法的三段論法と事実認定について記号論を用いて図にしました。

まず、法的三段論法と事実認定のプロセスには以下のような要素があります。

①条文
  ↓
②理由付け
  ↓
③規範(法的構成)
  ↑
④法的評価(当てはめ)
  ↑
⑤事実
  ↑
⑥推認
  ↑
⑦間接事実
  ↑
⑧証明(信用性)
  ↑
⑨証拠


以上は受験勉強または実務の便宜のために整理したもので厳密さはありません。

しかし、これらの要素を記号論を用いて図にまとめることができるのではないか、と考えました。

法解釈・法適用と証拠に基づく事実認定はどちらも記号の作用です。
法解釈・法適用には言語という記号を用いているわけですが、いわゆる「規範定立(法解釈)」はsignifiéのレベル、「当てはめ(法適用)」はréférentのレベルになります。
また、記号としての性質は異なりますが、証拠(典型的には物証)もまた記号です。

記号論を用いた図

法律家は2つの記号を駆使して思考しているというわけです。

また、法的三段論法と何が判例かという問題は関連しています。
判例は結論命題の部分とするのが一応有力な見解です。あくまで大雑把なイメージですが、下図の枠内が判例となる部分と言えるでしょう。


簡略化した図